登録 | ログイン  お問い合わせ  
strJobIdへようこそ!
中国関連ブログ
出会い言語交換中国百科ブログ日本求人中国求人
ホーム>>TOP>>メニュー
ブログの登録
ブログの検索
カテゴリ別ブログ
全地域別ブログ
新着記事
新着ブログ
人気ブログ
人気のブログ(月間)
人気のブログ(季間)
国際結婚ブログ
中国株ブログ
中国語ブログ
中国留学ブログ
中国料理ブログ
中国茶ブログ
中華圏芸能
ニュースと話題
上海ブログ
北京ブログ
香港ブログ
大連ブログ
広州ブログ
蘇州ブログ
深センブログ
東莞ブログ
ワールドフレンド・ ネットワーク
ブログ特集
国際結婚のブログ
駐在妻のブログ
中国で子育てのブログ
日本語教師のブログ
中国での起業家のブログ
駐在員のブログ
中国でペットと暮らす人のブログ
北京オリンピックのブログ
    今中基のブログ   
  三国志(201) 孔明の真価     
2024-01-24 02:03:03


 孔明はかねてから新野(しんや)の戸籍簿を作って、百姓の壮丁(そうてい)を徴募しておいた。城兵数千のほかに、農兵隊の組織を計画していたのである。
 次の日から、彼はみずから教官となって、三千余人の農民兵を調練しはじめた。歩走(ほそう)、飛伏(ひふく)、一進一退、陣法の節を教え、克己の精神をたたき込み、刺撃、用剣の術まで、習わせた。 ふた月も経つと、三千の農兵は、よく節を守り、孔明の手足のごとく動くようになった。
 かかる折に、果たして、夏侯惇を大将とする十万の兵が、新野討滅を名として、南下してくるとの沙汰が聞えてきたのである。
 「十万の大兵とある。如何にして防ぐがよいか」
 玄徳は恐怖して、関羽、張飛のふたりへもらした。すると張飛は、
 「たいへんな野火ですな。水を向けて消したらいいでしょう」
 と、こんな時とばかり、苦々しげに面当(つらあ)てをいった。
 些末(さまつ)な感情などにとらわれている場合ではない。玄徳は二人へいった。
 「智は孔明をたのみ、勇は二人の力にたのむぞ。よいか。くれぐれも」
 張飛と関羽が退がると、玄徳はまた孔明を呼び、同じように、この急場に処する対策を依嘱した。
 「ご心配は無用です」
 孔明はまずそういってから、
 「――ただ、この際の憂いは、外よりも内にあります。おそらくは関羽、張飛のふたりが私の命に伏しますまい。軍令が行われなければ、敗れることは必然でしょう」
 「実に困ったものだ。それにはどうしたらいいだろう」
 「おそれながら、わが君の剣と印とを孔明にお貸しください」
 「易いこと、それでよいか」
 「諸将をお召しください」
 孔明の手に、剣と印を授けて、玄徳は諸将を呼んだ。 孔明は、軍師座に腰をすえ、玄徳は中央の床几(しょうぎ)に倚(よ)っていた。孔明は、厳然立ちあがって、味方の配陣を命じた。
 「ここ新野を去る九十里外に、博望坡(はくぼうは)の嶮がある。左に山あり、予山(よざん)という。右に林あり、安林(あんりん)という。――各 ここを戦場と心得られよ」と、まず地の理を指摘して、「――関羽は千五百をひきいて予山にひそみ、敵軍の通過、半ばなるとき、後陣を討って、敵の輜重を襲い、火をかけて焚殺(ふんさつ)せられよ。張飛は、同じく千五百の兵を、安林に入れて、後ろの谷間へかくれ、南にあたって、火のあがるを見るや、無二、無三、敵の中軍先鋒へ当ってそれを粉砕し給え。――また、関平と劉封とは各五百人を率して、硫黄(いおう)焔硝(えんしょう)をたずさえ、博望坡の両面より、火を放って敵を火中につつめ」

 次に、趙雲を指命して、
 「ご辺には先手を命じる」と、いった。
 趙雲が、よろこび勇むと、孔明はたしなめて、
 「ただし、一箇の功名は、きっと慎み、ただ詐(いつわ)り負けて逃げてこられよ。勝つことをもって能とせず、敵を深く誘いこむのが貴公の任である。ゆめ、全軍の戦機をあやまり給うな」と、さとした。
 そのほか、すべての手分けを彼が命じ終ると、張飛は待っていたように、いきなり孔明へ向って大声でいった。
 「いや、軍師のおさしず、いちいちよく相分った。ところで一応伺っておきたいが、軍師自身は、いずれの方面に向い給うか」
 「わが君には、一軍をひきい、先手の趙雲と、首尾のかたちをとって、すなわち敵の進路に立ちふさがる――」
 「だまれ、わが君のことではない。ご辺みずからは、どこで合戦をする覚悟かと訊いておるのだ」
 「かく申す孔明は、ここにあって新野を守る」
 張飛は、大口あいて、不遠慮に笑いながら、
 「わははは、あははは。さてこそさてこそ、この者の智慧のほどこそ知られけり――だ、聞いたか、方々」と、手をうって、
 「主君をはじめ、われわれにも、遠く本城を出て戦えと命じながら自分は新野を守るといっておる、――安坐して、おのれの無事だけを守ろうとは……うわ、は、は、は。笑えや、各 」
 孔明は、その爆笑を一喝に打ち消して、涼然(りょうぜん)、こう叱りつけた。
 「剣印ここにあるを、見ぬか。命にそむく者は、斬るぞっ。軍紀をみだす者も同じである!」
 眸は、張飛を射すくめた。奮然張飛は反抗しかけたが、玄徳になだめられて、不承不承出ていった。嘲笑いながら、出陣した。 表面、命令に従って、それぞれ前線へ向っては行ったが、内心、孔明の指揮をあやぶんでいたのは関羽、張飛だけではなかった。
 関羽なども、張飛をなだめていたが、
 「とにかく、孔明の計(はかりごと)があたるか否か、試みに、こんどだけは、下知に従っていようではないか」
 と、いった程度であった。
 時、建安十三年の秋七月という。夏侯惇は十万の大軍を率いて、博望坡(はくぼうは)(河南省・新野(しんや)の北方)まで迫ってきた。
 土地の案内者をよんで、所の名をたずねると、
 「うしろは羅口川(らこうせん)、左右は予山、安林。前はすなわち博望坡です」と、答えた。
 兵糧輜重などを主とした後陣の守りには、于禁、李典の二将をおき、自身は副将の夏侯蘭、護軍の韓浩の二人を具して、さらにすすんだ。 そしてまず、軽騎の将数十をつれて、敵の陣容を一眄(べん)すべく、高地へ馳けのぼって行ったが、
 「ははあ。あれか。わははは」と、夏侯惇は、馬上で大いに笑った。
 「何がそんなにおかしいので」と、諸将がたずねると、
 「さきに徐庶が、丞相のご前で、孔明の才をたたえ、まるで神通力でもあるようなことをいったが、今、彼の布陣を、この眼に見て、その愚劣を知ったからだ。――こんな貧弱な兵力と愚陣を配して、われに向わんとは、犬羊をケシかけて虎豹(こひょう)と闘わせようとするようなもの――」
 と、なお笑いやまず、自分が曹操の前で、玄徳と孔明を生捕って見せると大言したことも、これを見れば、もう掌にあるも同様だと云い足した。 すでに敵を呑んだ夏侯惇は、先手の兵にむかって、一気に衝き崩せと号令をかけ、自身も一陣に馳けだした。
 時に、趙雲もまた彼方から馬を飛ばして、夏侯惇のほうへ向ってきた。夏侯惇は、大音をあげていう。
 「鼠将(そしょう)玄徳の粟を喰って、共に国をぬすむ醜類(しゅうるい)、いずこへ行くか。夏侯惇これにあり、首をおいてゆけ」
 「何をっ」趙雲は、まっしぐらに、鎗を舞わしてかかってくる。丁々十数戟(すうげき)、偽って、たちまち逃げ出すと、
 「待てっ、怯夫(きょうふ)っ」と、夏侯惇は、勝ち誇って、あくまで追いかけて行った。
 護軍韓浩(かんこう)は、それを見て、夏侯惇に追いつき、諫めていった。
 「深入りは危険です。趙雲の逃げぶりを見ると、取って返して誘い、誘ってはまた逃げだす様子、伏兵があるにちがいありません」
 「何を、ばかな」夏侯惇は一笑に付して
 「伏勢があれば伏勢を蹴ちらすまでだ、これしきの敵、たとえ十面埋伏の中を行くとも、なんの恐るるに足るものか。――ただ追い詰め 追い詰め 討ちくずせ」

 かくて、いつか彼は博望の坡(つつみ)を踏んでいた。 すると果たして、鉄砲のとどろきと共に、金鼓の声、矢風の音が鳴りはためいた。旗を見れば玄徳の一陣である。夏侯惇は大いに笑って、
 「これがすなわち、敵の伏勢というものだろう。小ざかしき虫けらども、いでひと破りに」
 と、云い放って、その奮迅に拍車をかけた。
 気負いぬいた彼の麾下(きか)は、その夜のうちにも新野へ迫って、一挙に敵の本拠を抜いてしまうばかりな勢いだった。 玄徳は一軍を率いて、力闘につとめたが、もとより孔明から授けられた計のあること、防ぎかねた態をして、たちまち趙雲とひとつになって潰走しだした。

 いつか陽は没して、霧のような蒸雲のうえに、月の光がかすかだった。
 「おうーいっ、于禁。おういっ――しばらく待て」
 うしろで呼ばわる声に、馬に鞭打って先へ急いでいた于禁は、
 「李典か。何事だ」と、大汗を拭いながら振向いた。
 李典も、あえぎあえぎ、追いついてきて、
 「夏侯都督には、如何なされたか」
 「気早の御大将、何かは猶予のあるべき。悍馬(かんば)にまかせて真っ先に進まれ、もうわれらは二里の余もうしろに捨てられている」
 「危ういぞ。図に乗っては」
 「どうして」
 「あまりに盲進しすぎる」             
 「蹴ちらすに足らぬ敵勢、こう進路のはかどるのは、味方の強いばかりでなく、敵が微弱すぎるのだ。それを、何とて、びくびくするのか」
 「いや、びくびくはせぬが、兵法の初学にも――難道行くに従って狭く、山川相せまって草木の茂れるは、敵に火計ありとして備うべし――。ふと、それを今、ここで思い出したのだ」
 「むむ。そういわれてみると、この辺の地勢は……それに当っている」
 と、于禁も急に足をすくめた。
 彼は、多くの兵を、押しとどめて、李典にいった。
「ご辺はここに、後陣を固め、しばらく四方に備えていて給え。……どうも少し地勢が怪しい。拙者は大将に追いついて、自重するよう報じてくる」
 于禁は、ひとり馬を飛ばし、ようやく夏侯惇に追いついた。そして李典のことばをそのまま伝えると、彼もにわかにさとったものか、

  「しまったっ。少し深入りしたかたちがある。なぜもっと早くいわなかったのだ」
 そのとき――一陣の殺気というか、兵気というものか、多年、戦場を往来していた夏侯惇なので、なにか、ぞくと総身の毛あなのよだつようなものに襲われた。
  「――それっ、引っ返せ」
 馬を立て直しているまもない。四山の沢べりや峰の樹かげ樹かげに、チラチラと火の粉が光った。
 すると、たちまち真っ黒な狂風を誘って、火は万山の梢に這い、渓(たに)の水は銅(あかがね)のように沸き立った。
  「伏兵だっ」
  「火攻め!」
 と、道にうろたえだした人馬が、互いに踏み合い転げあって、阿鼻叫喚をあげていたときは、すでに天地は喊(とき)の声にふさがり、四面金鼓のひびきに満ちていた。
  「夏侯惇は、いずれにあるか。昼の大言は、置き忘れてきたか」
 趙雲子龍(ちょううんしりゅう)の声がする。(201話)


                                                    ― 次週へ続く ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
    記事一覧

    · 三国志(216) 孔明 呉へ   2024-05-08 01:33

    · 三国志(215) 孫権 魯粛   2024-05-01 01:57

    · 三国志(214) 一帆呉へ下る   2024-04-24 01:52

    · 三国志(213) 張飛 吼える   2024-04-17 01:14

    · 三国志(212) 趙雲活躍   2024-04-10 00:41

    · 三国志(211) 宝剣   2024-04-03 01:14

    · 三国志(210) 趙雲のゆくへ   2024-03-27 01:10

    · 三国志(209) 玄徳の危機   2024-03-21 01:27

    · 三国志(208) 劉?の死   2024-03-13 02:52

    · 三国志(207) 玄徳の迷い   2024-03-06 01:30

    · 三国志(206) 曹軍劣勢   2024-02-28 02:31

    · 三国志(205) 劉表亡き後   2024-02-21 01:50

    · 三国志(204) 劉表の死   2024-02-14 02:18

    · 三国志(203) 孔融の死   2024-02-07 02:34

    · 三国志(202) 孔明の徳   2024-01-31 04:35

    · 三国志(201) 孔明の真価   2024-01-24 02:03

    · 三国志(200) 臨戦(りんせん)   2024-01-17 01:31

    · 三国志(199) 荊州の変   2024-01-10 00:30

    · 三国志(198) 孫権の心幅   2024-01-04 04:24

    · 三国志(197) 呉軍の勝利   2023-12-27 01:31

    · 三国志(196) 孫権立つ   2023-12-20 02:02

    · 三国志(195) 美女丈夫   2023-12-13 02:18

    · 三国志(194) 呉(ご)の情熱   2023-12-06 03:37

お気に入りとしてこのブログを保存
   このブログの閲覧者は下記のブログにも興味を示した   
    · 上海阿姐のgooブログ

    · funkin for HONGKONG@blog

    · バナナの葉っぱの街に住んでます。

    · ありおりはべりin香港

    · 呉下の凡愚の住処

   + もっと多くのブログ  
キーワードで検索
検索範囲   ブログ 記事
キーワード   

ブログ検索: ブログのタイトルと紹介文が検束され、合致したブログのリストが表示されます。
記事検索: 記事の内容が検束され、合致した記事のリストが表示されます。

私のお気に入り
上海
おまじない
もう誰もブログにはいないかなと思っていたのですが、こんなた...
次はインド駐妻かあ…
(ついて行くとは言ってない)(でも現地採用で働けるならあり...

北京
2023/06/11
アメンバー限定公開記事です。

香港
3月19日
あっさり次の仕事が決まって4月までのんびりできる。春休みのよ...
香港公立病院入院日記
ずいぶん放置していたブログですが、この経験がどなたかのため...

大連
          中国求人

日本求人

求人特集

案件登録

人材登録
          コミュニティ

言語交換

出会いクラブ

          無料相談

就労許可&ビザ

住宅事情・住居探し

保険・年金

子供の教育

中国語学習
          利用規約

プライバシーポリシー

運営会社

お問い合わせ
Copyright(C) 2000 ALA!中国 (ALAWORLD.COM, ALAWORLD.NET). All rights reserved.