| | 国際学術ワークショップ 20世紀東アジア:越境する文学形式と思考の流動 |
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| | 19世紀末から20世紀にかけての日中韓3カ国間では、留学や戦争などを背景として相互に人的移動・交流が行われ、文学や思想上の影響が複雑に交錯した。また古典漢文やその国固有の伝統文学形式、民間歌謡や方言などの地域要素も不断に「新しい文学」を活性化する要素として再注目を浴び、取り込まれていく。すなわち東アジアの近代文学の形成と成熟は、国家間・異文化間・異なる文学ジャンル間や異なる文体間など、多種多様な境界線を越え、境界の双方が浸透する中で展開したと言える。
神戸市外国語大学Research Project-B研究班では、日本・中国・韓国から気鋭の研究者を招いて国際学術ワークショップを開催し、「文学形式」に重点を置いて報告と討論を行う。これらの「文学形式」を個別作家やジャンル内の問題に閉じ込めるのではなく、当時の社会思潮や文化制度、思想流動などの大きな背景の中において考察することを目的とする。
日時:2016年12月26日(月)10:00〜18:00
場所:
グランフロント大阪 北館2F ナレッジキャピタル アクティブスタジオ
(JR大阪駅、地下鉄御堂筋線梅田駅、阪急梅田駅から徒歩3分
使用言語:日本語及び中国語(質疑応答のみ通訳あり)
定員:50名
来聴歓迎・参加費無料。ただし予稿集の準備と会場調整のため、できるだけ事前申込をお願いいたします。
報告内容に関しては通訳を行いません。中国語のわからない方は、当日配布する予稿集に報告要旨の日本語訳を掲載しておりますので、そちらをご参照ください。
プログラム(敬称略)
10:00 開場
10:10-10:20 開場の辞
10:20-12:00(報告各20分、討論40分)
セッション1:読む・書く・教える
ディスカッサント:松浦恆雄 MATSUURA Tsuneo(大阪市立大学)、鈴木将久 SUZUKI Masahisa(一橋大学)
陸胤 LU Yin(北京大学) 「読誦」から「講義」へ―清末中国における読書革命
鳥谷まゆみ TORIYA Mayumi(北九州市立大学) 周作人“美文”再攷―日本写生文・美文へのまなざしから
王風 WANG Feng(北京大学) 「信達雅」と漢語近代書面語概念の変遷
12:00-13:20 昼食
13:20-15:00
セッション2:思考としての翻訳
ディスカッサント:鈴木将久 SUZUKI Masahisa(一橋大学)、波田野節子 HATANO Setsuko(新潟県立大学名誉教授)
彭春凌 PENG Chun ling(中国社会科学院) 章炳麟訳スペンサー「進歩について」に見える主旨の背離とその解析
柳忠熙 Chung Hee RYU(東京大学) 近代朝鮮におけるイソップ寓話の翻訳と『ウスンソリ(笑話)』
裴亮 PEI Liang(武漢大学) 中国語と日本語の間を歩む―日本における詩人黄瀛の中国新詩翻訳活動について
15:00-15:20 ティーブレイク
15:20-17:00
セッション3:イデオロギーとスタイル
ディスカッサント:郭炯徳 KWAK Hyoungduck(韓国科学技術院 KAIST)、松浦恆雄 MATSUURA Tsuneo(大阪市立大学)
袁一丹 YUAN Yidan(首都師範大学) 「我田引水」の新俳文―日中戦争前夜の周作人による中日両国滑稽文学の伝統に対する再創造
李婉薇(香港教育大学) 戦後香港の方言文学運動に関する理論的検討
呉世宗 OH Sejong(琉球大学) 朝鮮戦争の中の金石範文学―金石範「一九四九年頃の日誌より―「死の山」の一節より―」についての一考察
17:00-17:15 ティーブレイク
17:15-18:00 ラウンドテーブル |
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