中国では新年を旧暦でお祝いをし、旧暦1月1日からの春節は大いに賑わいますが、今年は1月28日が春節の日にあたります。そこで、中国語担当で中国北部に位置する遼寧省大連出身の趙 雅へい講師と中国南部に位置する海南省海口出身の張 雅講師に春節の過ごし方などについて紹介していただきました。
Q:大晦日の日にはどのように過ごしますか?
趙:私の住んでいる大連など中国でも北方地方の家では、春節に水餃子を食べる習慣があります。大晦日の夜になると家族で水餃子をつくりはじめ、日本の紅白歌合戦のようなテレビ番組を見終わると年が変わるので、その頃から水餃子を食べ始めます。我が家では母が水餃子のひとつにコインをいれたものをつくりますが、それが当たった人は新年からの運勢がよくなると言われているので、小さいときに私の水餃子のなかにコインが入っていたときは大喜びになりました。年が明けると花火を上げたり、爆竹を鳴らしたりするのも中国の習慣ですが、我が家でも父は爆竹を鳴らすのが恒例になっていて、一方私たちは小さな花火を上げて楽しみました。
張:中国の北方の人たちは春節に水餃子を食べ、南方地方の人たちはお餅を食べる家庭が多いと聞いていますが、私の住んでいる海南島ではどちらも食べない家庭が多く、我が家ではしばしばガチョウの肉を煮て食べることがありました。また、正月料理の定番は魚料理で、これは”魚”と”余”が中国語で同じ発音であるため「年年有余」、すなわち毎年財産が貯えられますようにという願いを込めて食べるのです。また豆腐料理も”腐”が”富”と同じ発音であるので、豆腐を食べると富が増えるという縁起をかついで食べるのです。我が家でも大晦日には中国のほとんどの家族が見るテレビ番組を見ますが、我が家では爆竹を鳴らしたりせず遠くで上がる花火を見ながら新年を迎えました。
Q:新年になってからはどのように過ごしましたか?
趙:我が家では新年になると祖父母の家に行くのが恒例になっていて、祖父母の家にはたくさんの親戚が集まって顔をあわせるのが楽しみでした。大勢の人が集まるので家の中はとても賑やかで、正月料理を食べながらおしゃべりをしたり、若者はトランプ、大人は麻雀をして過ごしたりしました。また、祖父母の家に行くと、必ずお年玉をもらえたので私にとってはそれが一番の楽しみでした。しかし、我が家では母がもらったお年玉を預かってしまうので、もらったお年玉を自由に使える分はわずかだけでした。
張:我が家でも新年1日はゆっくり家で休み、2日になると祖父母の家に行って親戚が皆集まるのが恒例になっていました。趙さんの家と同じように、親戚の大人たちは麻雀をする人が多くいましたが、私たちはやはりおしゃべりしたり、料理を食べたりして賑やかに過ごしました。また、お年玉も祖父母の家に行くともらえたので、私にとってもお年玉をもらうのが楽しみでした。あと、海南島では春節の時期にバスケットボールの大きな大会があったので、これを見に行くのも恒例の行事になっていました。
趙:あと、春節には春節の時期には先祖の人もあの世で春節をお金に困らないように過ごしてもらうため、お墓の前でニセのお札を燃やす風習がありましたが、現在はこのようにすることは禁止されてしまったと聞いています。また、年末には先祖の人たちのために特別な料理をつくり、お供えしたことも記憶に残っています。
張:海南島は中国でも有数の観光地であり、また温暖な気候でも知られていますので、春節の長期休暇を利用して中国全土から多くの人たちが訪れるため、島全体の人口は急激に増えてしまいます。その結果、最近では島内のホテルの料金がこの期間中は高騰してしまうなどの問題も起きているようです。
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