今回は中国語担当の趙雅へい講師と董夏きん講師に、日本と中国の生活習慣などの違いについて語り合っていただきました。
Q:日常生活のなかで、生活習慣などの違いについて感じることは?
趙:ゴミの分別収集についてですが、日本ではゴミを細かく分別するようにしていて、資源ごみは再利用するように心がけているようですが、中国ではこのような細かい分別はしておらず、きちんと分別することなく適当にゴミを出す家庭が多いのが現状です。あと、日本では街中を歩いていてもゴミ箱は少なく、自分のゴミは自分で持ち帰るように呼びかけているようですが、中国では至る所にゴミ箱が設置されています。もし、中国の街中にゴミ箱が少ないとしたら、街中はゴミだらけになってしまうのではないかと想像できます。
董:本当に日本では街中にゴミ箱が少ないので、ゴミをずっと持ち歩かなければならないことに不便を感じることがよくあります。ゴミの出し方についてですが、日本では曜日ごとに出すべきゴミの種類が決まっているのですが、中国ではそのような決まりはなく、いつでもどんなゴミを出しても問題はないので大きな違いを感じます。
趙:日本では地下鉄などの交通機関やレストランやカフェなどの飲食施設、その他公共施設などでも大きな声でおしゃべりしたり携帯電話をかけたりする人はほとんどいませんが、中国ではそのような場所でも携帯電話をかけたり、大きな声でおしゃべりするので、とてもうるさく感じることがあります。また、中国では公園に行くと多くの人が集まって音楽したり踊ったりすることが多いので賑やかですが、日本では公園のなかを一人で散歩したりジョギングしたりする人が多く、また公園内はとても静かに感じます。
Q:それでは人と人とのつきあい方などで違いを感じることは?
董:中国人の場合は友人と会話をするときに自分の意見をストレートに表現する人が多く、相手に対する好き嫌いもはっきりあらわします。一方、日本人の場合は本音を表現することなく取り繕って会話をすることが多いので、本当の気持ちがどのようであるかがわかりにくいことが結構あります。
趙:あと、日本人の場合は友人にメールをするときなど、まず最初にあいさつの言葉などを書き、それから本題に入り、それが終わると「よろしくお願いします」などと書いて、とても丁寧な表現をしますが、中国人の場合はいきなり本題に入ることが多いと思います。さらに、日本人の場合は丁寧語や尊敬語をたくみに使い分けて表現しますが、中国人の場合はあまり尊敬語を使うことがないので、難しさを感じることがよくあります。
Q:そのほか、日常生活のなかで感じることがあれば教えてください。
董:日本の中華料理店では炒飯とラーメンと餃子がセットになっていたりするのですが、これらは皆中国では主食の扱いであるのでこのようなセットで食べることはありません。また、日本では朝食を簡単に済ませたり、食べない人も結構いるのですが、中国では朝食をしっかり食べる人が多く、朝から朝食の屋台が出て料理の種類も多いのでそうした場所でしっかり食べる人も結構います。
趙:中国では料理の基本は熱を加えて調理することなので、生のままの料理はあまりありません。ところが日本ではおにぎりや寿司、刺身や生卵、納豆、梅干など熱を加えずに食べるものが多く、大きな違いがあると思います。また、中国人にとってからだを温めるというのは漢方医学の基本的な考え方ですので、冷たい飲み物で体を冷やすことは避けるように心がける人が多くいます。しかし、日本では夏になると冷たい飲み物が好まれ、特にビールなどはグラスやジョッキまで冷やしておく店が多くあると聞きますので、そこにも考え方に大きな違いを感じます。