「連合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」
2011年12月23日公開映画
監督 成島出
主演 役所広司
10年ぶりに2回目鑑賞です。
菅田将暉さん主演の「アルキメデスの大戦」を見て、改めて山本五十六さんが主人公の映画を見直したくなりました。
山本五十六さんといえば太平洋戦争のきっかけの真珠湾攻撃を計画した最重要人物であり、軍人の中の英雄であり、また悲劇の名将でもある、海軍大将を役所広司さんが見事に演じておられます。
脇を固める俳優陣も名優揃いで重厚な見応えのある超大作映画でした。
世論に反して戦艦などもう時代遅れであること、三国同盟締結を結ぶことはアメリカとの対戦を意味し、それは圧倒的な近代化、国力の差から必ず負けるということ。何もかも分かった上で山本五十六さんは、直近外国との戦争に次々に勝利して浮かれていた世論、三国同盟を締結を支持する人達、戦争をしたい人達の多勢に対して、果敢に阻止を試むが聞き入れられることなどなかった。
狂気?とも言える世論に巻き込まれていき、開戦のいく果ては?目的地はどこなのか?良き具体的な目的地など誰一人確信を持って答えることのできないのに!太平洋戦争へと突き進んでいく。
開戦後も無能な上司、同僚の度重なる失策により、どんどん追い込まれた戦況に陥っていく。その時の究極の無念さ、理不尽さまでをも、ただ一人で静かに飲み込んでいかれる勇姿は強く心に焼き付きました。
自分の意思とはまるで反する、時代の流れに対し、開戦が免れないならせめてもその中で一刻も早く戦争を講和にて終結したい!という一念を持ち続けられ、もう勝利は不可能に近い戦況の中でも最後まで諦めないで部下を鼓舞される姿は本当に偉大でした。
日清、日露戦争、満州事変、第一次世界大戦を経験され太平洋戦争までの軌跡の苦渋を全て味わってこられた還暦の年齢の司令長官五十六さんだからこその、日本の行き着く先を見通しておられた。昔は還暦なんていうと、人生の一通りの経験を積んで熟成されていた年齢。もはや寿命という年齢ですかね。
自分は極めて近い歳なんですよね〜。
いやはや、なんということでしょうか!