私の家の近くには大型、小型スーパーマーケットがあり、合わせて週に1−2回利用しています。
今回は、私の視点から見た北京のスーパーマーケット事情をご紹介します。
■北京にあるスーパーマーケット
店舗数が多く、北京でよく知られているのは外資系総合スーパーマーケットの家?福(カルフール)、?天?特(ロッテマート)です。家?福(カルフール)は中国全体で200店舗以上、北京地区だけで20店舗ほどあります。店内では洗剤やバケツなどあらゆる生活用品が手に入るほど品揃えが充実し、価格帯も庶民的な割安価格から少々高めの輸入品まで非常に幅広いのが特徴です。
仏系小売大手の家?福(カルフール)
一方、ローカル企業では??(ファレン)、物美(ウメイ)、京客隆(ジンケロン)、美廉美(メイレンメイ)、永?(ヨンヒ)といった小・中規模のスーパーマーケットが有名です。野菜など生鮮食品、惣菜や調味料といった食料品が充実しています。ローカル企業ということもあり、比較的一般消費者向けという印象があります。
また、日系の永旺(イオン)、?堂(イトーヨーカドー)も北京に出店しています。どちらも店舗数がまだ少なく、北京ではあまり知られていません。今後の発展を期待したいところです。
北京のスーパーマーケットは、お店の規模にかかわらず商品の陳列が乱雑になっている場合が多々あり、日本のスーパーマーケットのように商品をもっときれいに並べてほしいと思うこともあります。また、大型スーパーマーケットは非常に混雑していて、会計の待ち時間が10分ほどは当たり前です。場合によっては30分以上待たされる場合もあります。
地場系小売大手の物美(ウーメイ)
■外国人居住地では輸入食品が充実
外国人が多く住むエリアにあるスーパーマーケットは、輸入品を充実させています。例えば外国人が多く住む三元?(サンユエンチャオ)にある大型ショッピングモール内のスーパーマーケットには、日本や韓国から輸入したお菓子や調味料、アルコール類といった加工食品がたくさん並んでいます。価格はローカル商品と比べてかなり高く、明らかに外国人向けだと思います。
北京の大型ショッピングモールにもほとんどスーパーマーケットが入っています。電車の駅、各商業施設、繁華街、住宅地といった人が集まるところにはスーパーマーケットが何店もあり、激しい価格競争を繰り広げています。
ある程度規模の大きいスーパーマーケットは、少し遠いところからでもお客様が来店できるよう、特定の区間を往復する送迎バスのサービスを提供しています。お客様に利便性を提供している部分は、お客様の囲い込みに非常に有効的な方法だと思います。
■伝統市場に取って代わるスーパー
スーパーの他に、屋台式店舗で野菜などを売る昔ながらの市場もあります。私は野菜などの生鮮品を自宅近くの市場で購入することもあります。しかし、家?福(カルフール)の特売価格は市場より安く、市場で扱っていない商品もありますので、私は市場よりスーパーマーケットをよく利用します。
都市開発が急ピッチで進んでいる中で、北京では昔ながらの市場がだんだん閉鎖され、数が減少しています。現在でも市場を愛用している人が多いですが、豊富な商品が並んでいて、価格帯も市場よりそれほど高くなく、会社帰りに気軽に必要な商品を必要なだけ購入でき、休日に必要なものをまとめ買いできるスーパーマーケットが人々の生活に欠かせない存在となりつつあります。
著者プロフィール
崔 龍権(サイ リュウケン)
日本で8年の生活経験があり、現在、北京で生活している男性。
中国東北部の出身で、朝鮮族の食文化についても詳しい。
上海に住んでいた経験もあり、北京を中心に中国の食文化・生活習慣をレポートする。