2024/02/20 中日新聞朝刊
【長野県】飯田市歴史研究所が昨年12月に設立20周年を迎えたことを記念するワークショップが17日、同市東栄町の市勤労者福祉センターで開かれた。研究員らが研究所の成果などについて講演した。
同研究所は2003年に開設。市町村による公設の歴史研究所は全国的にも珍しいとされ、史料や建築物を調査し、年報や市誌を編さんしてきた。
地域の満蒙開拓体験者などからの聞き取りも精力的に行い、口述資料として多くの出版物を刊行している。
市民ら約70人が出席したワークショップには、研究員や、研究所とともに地域の研究活動に取り組む市民団体の代表ら6人が登壇。同市座光寺地区の歴史を研究する「歴史に学び地域をたずねる会」の田口博人会長(75)は「歴史研究所の助言や支えのおかげで地区に多く残る貴重な史跡について記録することができた」と感謝した。研究員の羽田真也さんは今後の課題として、歴史研究と関係がない市民との学び合いの場づくりを挙げ、「20年の蓄積を着実に継承し、さらに発展させなければならない」と述べた。(長崎光希)