| | | | | 中国茶会無茶空茶北京十八茶膳黄安希のブログ | | | 2017-03-04 00:52:27
2月28日、利休忌でもある日。
笙と?の奏者、田島和枝さん、茶絲道の堀口一子さん、好日居の横山晴美さん、私、の四名が結び、 無茶空茶にて茶会を開きました。
床飾は、利休様ゆかりの国宝待庵茶室の古材を用いた茶箱に2003年陳年熟解茶を入れ、ミャオ族の布地を繋ぎ合わせた春秋ふた色の茶具敷。 宜興急須。 根曲り竹茶則。
菜の花。
堀口さんは、四川省の黄茶、蒙頂黄芽を。 漢代から遡る献上茶、歴史を伝える地脈の茶。 思い入れのある一杯を大天目で点て、瓢杓で分茶。
春の調子をもつ双調のしらべの笙が、田島さんにより点前に添い、飛翔し、奏でられます。
お湯が落ちる音、道具の静かな音鳴りもします。
小さな杯に沈む、雀舌型の茶葉の幾片。
横山さんの茶席は、過年共に訪れた北京茶市場で数年前に求められた鳳凰単叢、茶缶の底に僅かに残された茶葉、最後のひとむら。
大皿に庭石を拾い据え、その上に置かれた、胡桃大の小さな茶壺。
この小さな茶具で17人もの方々と一客一煎、分かち合います。 壺中の天。
小さな天地を溢れさせるように、湯が次々に茶壺に注がれ、出来た茶は、人々の手から手に包まれながら、そっと流れて運ばれてきました。
薬指を茶湯に浸し、天へ一滴、地へ一滴、眉間に。 人へ一滴。
天、地、人。
笙の響きは、茶に添い、また離れては、いずこへ飛翔していきました。
私は、茶杯だけを前に、一切の道具を使わず茶ごとを行いました。 茶の香りを聞き、茶壺を開け、湯を注ぎ、蒸らし、 注ぐ。
数多の茶と数多の時間を家からいただき、からだから指先に通すつもりで、からの茶杯に注ぎました。
何もない茶杯に、無があり、空がある。
満ちていては注ぐことも出来ず、からの器がなければ受け止めることも出来ず。
一切が無と空にある。
自身の生家でも持ち物でもない古い一軒の陋屋が、107年を経て壊されていくということ。 心を寄せて涙を流してくださる方々がおられました。
茶葬。 一場の時間でした。
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