それは2017.1.5のAM11時頃のこと
洗濯などの家事を済ませ、午後からの外出の為に
そろそろお化粧でもしようかなぁと、ソファに座りボンヤリ考えていた私
ふと、部屋の中に漂う空気感がいつもと違うことに気付き「あれっ?なんか臭う?」と、思いつつ
も、そのままスルー
数分後、やっぱりなんか臭う。
秋刀魚を焼いてるような、そんな臭い。
…と思って、よくよく室内を見渡すと、いつもより白く霞んでいる
窓の外ならわかるけど、まさか部屋の中まで汚染されてるの〜??なんて、心の中で呟きながら
なんだか胸騒ぎ…
部屋のドアを開け廊下に出たら、廊下はすでに煙で真っ白
まさか火事?
心臓がバクバク。
自分が今どんな状況にいるのか理解できない
とっさにエレベーターまで走り、エレベーターを呼ぶも反応なし。業務用エレベーターも反応なし
あとは非常階段のみ。
ここは高層階…
落ち着け私??と自分に言い聞かせるも、怖くて手が震える
廊下の煙がひどいので、一旦部屋に戻り状況確認の為、不動産屋の担当者の電話番号を探すも、手が震え動揺して、なかなか思うようにスマホを操作できず
主人に電話。なかなか出ない。
とにかく今の状況を伝えなくちゃと「火事みたい。エレベーター使えない」とメールで送り、再び不動産屋の電話番号を探していたら、主人からの電話??
半分泣き声で「火事みたい、煙が廊下に充満していて、部屋にも煙が入ってきてる、エレベーターが使えない、不動産屋に連絡して状況を確認して??」恐らくそんな事を言ったかと…
主人にとにかく落ち着いて??と言われ、冷静になろうと必死な私
連絡を待つ間、パスポートなどの貴重品をカバンに詰め込み、フロントに繋がるインターホンを押してみるも繋がらず
もう一度、エレベーターを確認する為、廊下に出たらさらに煙がひどくなっている
誰か他の部屋に人がいないか「?好」と大声で叫ぶも反応なし
この階に一人ぼっち?
もしかして、このまま死んじゃうの?
色んな想いがよぎる
不動産屋の担当者から電話が入り
「地下の空調設備の故障で煙が出ただけとホテル側が言っている。とにかく窓を開けて換気をして下さい」と。
高層階の部屋の窓なんて、ちょっとした開かない
空調設備の故障で煙が出たなんて、そんなの誰が信じるの?
立て続けに主人からも連絡が。
とにかくちゃんと状況確認をしてもらう為、ホテルへ不動産屋の担当者を行かせたと。
とにかくここは一番煙の少ない部屋で待機することに。
フロントからインターホンで連絡が入る。
「火事ではありません。窓を開けて換気して下さい」と一方的に繰り返すだけ。
エレベーターはいつ復旧するのか確認すると「煙でお客さんがパニックになるといけないので、今停めています。いつ動くかはまだわからない」
なんだそれ〜〜?
そんな対応?
この階の今の煙の状況わかってるの?
もう、何もかもが嘘だらけ
恐怖と失望で、しばらくボー然
再び、不動産屋の担当者から連絡
ホテル1階のフロントに行ったら、スタッフが床やフロントデスクを拭いたり、と慌しく掃除している(スプリンクラーが作動して水浸しになった様子)
「火事があったんですよね?」とフロントスタッフに問いただすも「火事じゃない」の一点張り。
1階フロントの状況を写真で撮ろうとすると「撮るな??」と制止される。
拉致があかないので、ホテル営業マネージャーに電話で確認すると「火災訓練をした」と。
もう、聞いていてウンザリ
私の中に煙じゃなくて脱力感が充満
そんなこんなしていたら、廊下の煙がちょっとだけ引いてきた
煙を吸ったせいなのか、ウンザリな言い訳のせいかわからないけど、頭が痛くなってきた
(鼻水をティッシュでふいたら、鼻の中まで煙のすすが??)
階段で下まで降りた方が良いのか迷ったが
今まで一度も非常階段を使った事がない
非常階段が安全なのかどうかもわからない
煙は少しずつだけど、ひいてきた気がするし
とにかく部屋で待機する事に…
煙の臭いがきつくて、頭が痛い。
改めて火災の恐怖と煙の怖さを思い知る。
こんな経験は初めて。しかもここは中国。
自分自身の危機管理意識の薄さを反省
自分自身は自分で守らないと??
しばらくして、エレベーター復旧。
「死ななくて良かった…」という安心感と
「いつ何が起こるかわからない」という不安感
夜、仕事から帰ってきた主人と一緒に消化器の設置場所や、非常階段を確認。
一度は非常階段を使って、ちゃんと逃げることができるか確認しなくちゃ…なんて、色んな事を考えながら眠りにつき、長い一日が終わる。
物凄く長くなってしまいましたが、
皆様も改めて非常時の確認を、この機会にしていただければと思います。
「2017・事件です」 終わり