主に自分用の記録です。
2020年10月4日に実施された第54回通関士試験を受験しました。このブログを以前から読んでくださっている方は私が一昨年の通訳案内士試験を受けて落ちたことをご存知だと思います? あれ?今度は通関士?通と士しか合ってないやんけ?
通訳案内士試験はもし昨年も受験していたら一次試験は一般常識以外免除となるはずでしたが、去年は就労ビザの手続きの関係で泣く泣く受験を見送ったのでした… あれから一年足らずで日本に帰ることになると知っていたら入社を遅らせてでも受けたのに
通関士試験の受験を決めたのは今年の3月のことでした。不本意にも海外でのキャリアを一旦諦めて日本へ帰ってきた私は、何か新しく取り組む目標を求めていました。また、せっかく日本に帰ってきたのだから日本でしか取れない資格の勉強をしたいとも思いました。しかし、インバウンドは向こう数年厳しい状況が続くと思われる為、通訳案内士試験に対するモチベーションは下がっていました。一方、上海へ引越すまで通関業者で働いた経験があり、帰国してからの転職先での業務にも通関業務が含まれていたことから、どうせならこの分野のスペシャリストを目指したいと考えました。
??全体の勉強スケジュール
インターネットで調べた独学の勉強法を参考にして、6月末までに関税法と通関実務の基礎知識を身につけて、7-9月にかけて問題演習、9月以降は法改正の内容確認もプラスし、通関業法は9月に入ってから勉強すれば良いかなという超超ざっくりとしたスケジュールを組みました。
??関税法・関税定率法等の勉強法
まずはヒューマンアカデミーの通関士完全攻略ガイドを買って読み始めました。ヒューアカの赤い本は教科書的な部分だけでも700ページ強あり、また初読時は意味不明に感じる単元もあり(例えば課税物件の確定時期と適用法令、納期限と法定納期限のとことか)、途中で飽きたり精神的に病み気味になったりして予定の6月を過ぎても関税法の部分すら読み終わっていませんでした爆
こちらのテキストは、法律の条文とわかりやすい解説がセットになっており、頻出度も書いてあるので優先的に覚えるべき法律が一目でわかるのでとても使いやすいと思いました。通関士試験を独学で受験するのであれば、テキストはこれ一冊でじゅうぶんだと思います。各章の最後にある要点チェックを完璧に覚えるだけでもかなり力がつくと思いました。ただし一番最後に載っている練習問題はかなりズレていると感じました爆 すごく分厚いテキストなので、分割した方が持ち歩きにも便利だったかもしれませんが、私は現在車通勤をしているので分割はしませんでした。
7月に入ってからは通関士ポータルというサイトで公開されている過去問を過去20年分くらい遡って解きました。過去10年分は2週くらいしたと思います。しかし、今は変わっている法令も一部あり、本番で旧法令の知識を根拠に間違えて解答してしまうリスクもあるのでこのやり方は万人にはおすすめできません?
個人的に良かったと思うのは「修ちゃんの勉強部屋」というサイトです。机に向かうのが億劫な時でもスマホでポチポチ過去問を解いてゲーム感覚で勉強できました。ただし稀に答えが間違っている時があり注意が必要でした? 間違えた問題は通関士ポータルの解説を読んで理解するようにしました。繰り返し解くことで知識の定着にとても役立ちました。テキストをただ読むだけだったり模試や問題集で初見の問題をたくさん解くよりも、過去問で繰り返し問われる内容を落とさないように勉強することが大切だと思います。
ちなみに「修ちゃんの勉強部屋」さんは他にも英検やHSK等の過去問も掲載してくださっています。
??通関実務
本当は関税法や定率法をばっちり勉強してから取り掛かるのがセオリーかもしれませんが、私は勉強のスケジュールがだいぶ押していたので関税法と並行して勉強を始めました。
まずはこちらのテキストで通関実務のための知識を身につけました。
それから
「ゼロからの申告書」で申告書問題の解き方を再度入念に勉強しました。その後は過去問約20年分(NACCSの形式になってからの過去問)と「関税評価ドリル」「計算問題ドリル」を解きました。特に計算ドリルは、間違えた問題をできるようになるまで繰り返し解きました。過去問は過去5年分は2週しました。輸入申告書や計算問題で問われる「加算/不加算/控除すべき要素」は、自分の言葉でノートに一覧にまとめて頭に入れました。品目分類はこんさくさんの可愛いイラストのカードを買ってトレカ用のファイルに入れて見て覚えましたが、品目分類問題は結局間違えてしまったので?、今思えばお手洗いの壁や車の中やキッチン等日常でよく目にするところに貼る等すればもっと覚えられたかもしれません… ちなみにこの品目分類カードは息子も興味津々に見ていました笑
??通関業法の勉強法
上にも書いた通り9月に入ってから勉強しました。まずは上述のヒューアカの赤い本の業法の部分をざっくり読んで、すぐに問題演習に取り掛かりました。こちら↓の問題集は過去問そのままではなく、過去問でよく問われる内容の複数の問題を一問に凝縮してあるパターンが多く、一問あたりの注意しなければならないポイントが盛り沢山なので個人的には少々解きづらいと感じました(過去問の方が素直)。しかし業法では過去問で繰り返し問われるポイントを効率的に押さえることができました。業法は上述の「修ちゃんの勉強部屋」さんで過去問10年分を2週くらいしました。今年の業法は難しかったとおっしゃる受験生の方も多く、今後も難化傾向が続く可能性もあるので、試験範囲が狭いからといって舐めずにきちんと対策した方が良さそうです。
??電卓
電卓はけっこう大事だと思います。押し間違いを防ぐためにもボタンが大きいものが良いと思います。通関士試験では他の受験生に見られてしまう恐れのある角度のついた電卓の使用はNGらしいです。こちらは水平〜角度の調節が可能なタイプです。会社に下の型のものが置いてあって使いやすかったので同じものを購入しました。
??ノート
私は学生の頃からあまりノートを作らず直接テキストに書き込む派だったのですが、今回は何せテキストが分厚いのでノートを一冊作りました。ノートには間違えた問題のポイントや混乱して中々覚えられない部分を書きました。
私が覚えるのに苦労したのは主に下記の項目でした。
・輸出/輸入できない貨物・税関長が没収して廃棄することができる貨物
・無条件免税が適用される物品
・課税物件の確定時期と適用法令
・納期限と法定納期限
・原産地証明書/原産品申告書を提出することになる協定←今年ピンポイントで出題されたのでやってて良かった??・輸出者による自己証明が可能な協定
・不服申立/審査請求可能な期間
・原産地認定
・各付帯税の計算式
・品目分類
・加算/不加算/控除すべき要素