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  三国志(158) 関羽 曹操の信義を謝す     
2023-03-23 00:03:08


 船が北の岸につくと、また車を陸地に揚げ、簾を垂れて二夫人をかくし、ふたたび蕭々の風と渺々の草原をぬう旅はつづいてゆく。
 そうした幾日目かである。 彼方からひとりの騎馬の旅客が近づいてきた。見れば何と、汝南で別れたきりの孫乾ではないか。 互いに奇遇を祝して、まず関羽からたずねた。
 「かねての約束、どこかでお迎えがあろうと、ここへ参るまでも案じていたが、さてかく手間どったのはどうしたわけです」
 「実は、袁紹の帷幕にいろいろ内紛が起って、そのために、汝南の劉辟、?都のむねをおびて河北へ使いしたてまえの計画が、みな喰いちがってしまったのです。――さもなければ、袁紹を説き伏せて劉皇叔を汝南に派遣するように仕向け、てまえは途中にご一行を待って、ご対面のことを計るつもりでしたが」
 「では、劉皇叔には、ともあれご無事に、いまも袁紹の許においで遊ばすか」
 「いや、いや。つい二、三日ほど前、てまえが行って、ひそかに諜しあわせ、河北を脱出あそばして汝南へさして落ちて行かれた」
 「して、その後のご安否は」
 「まだ知れぬが、――一方、貴殿とのお約束もあり、二夫人のお身の上も心がかりなので、とりあえず、てまえはこの道をいそいできた次第です。――将軍もお車も、このまま何も知らずに河北へ行かれたら、みずから檻の中へはいってゆくようなもの。危険は目前にあります。すぐ道をかえて、汝南へ向けておいそぎ下さい」

 「よくぞ知らせてくれた。しからば劉皇叔だにおっつがなくのがれ遊ばせば、汝南において、ご対面がかなうわけだな」
 「そうです。玄徳様にも、どれほどお待ちかわかりません。何しろ、河北の陣中におられるうちには、たえず周囲の白眼視をうけ、袁紹には、二度まで斬られようとしたことさえおありだった由ですから」
と、なお玄徳のきょうまでの隠忍艱苦のかずかずを物語ると、簾の裡で聞いていた二夫人もすすり泣き、関羽も思わず落涙した。
 「そうだ。心せねばならん。汝南はもう近いが、何事も、もう一歩という手まえで、心もゆるみ、思わぬ邪げも起るものだ。――孫乾、道の案内に先へ立ち給え」
 関羽は、自分を戒めるとともに、扈従の人々へも、おしえたのである。
 「心得申した」
 急に、道をかえて、汝南の空をのぞんで急ぐ。
 すると、行くことまだ遠くもないうちであった。うしろのほうから馬煙あげて追っかけてくる三百騎ほどの軍隊があった。たちまち追いつかれたので、関羽は、孫乾に車を守らせ、一騎引っ返して待ちかまえた。
 まっ先に躍ってくる馬上の大将を見ると、片眼がつぶれている。さてこそ、曹操の第一の大将夏侯惇よなと、関羽も満身を総毛だてて青龍刀を構え直していた。
 「やあ、いるは関羽か」
 夏侯惇から呼ばわると、
 「見るが如し」
 と、関羽はうそぶいた。
 虎をみれば龍は怒り、龍を見れば虎はただちに吠える。双方とも間髪をいれない殺気と殺気であった。
 「汝みだりに、五関を破り、六将を殺し、しかもわが部下の秦?まで斬ったと聞く。つつしんで首をわたすか、しからずんば、おれの与える縛をうけよ」
 聞くと、関羽は大笑して、それに答えた。
 「その以前、座談のなかではあったが、われ帰らんとする日、もしさえぎるものあれば、一々殺戮して、屍山血河を渉っても帰るであろうと――曹丞相と語ってゆるされたことがある――いまそを履行してあるくのみ。貴公もまた、関羽のために、血の餞別にやってきたか」
 「あな、面憎や。天下、人もなげなる大言を、吐ざきおる奴」 夏侯惇は、片眼をむいて、すばらしく怒った。
 はやくも彼のくりのばした魚骨鎗は、ひらりと関羽の長髯をかすめた。
 戛然――。関羽の偃月の柄と交叉して、いずれかが折れたかと思われた。逸駿赤兎馬は、主人とともに戦うように、わっと、口をあいて悍気をふるい立てる。
 十合、二十合、彼の鎗と、彼の薙刀とは閃々烈々、火のにおいがするばかり戦った。
 ところへ、彼方から、
 「待たれよ! 双方戦いは止めたまえ」
 と、声をからして叫びながらかけてくる一騎の人があった。曹操の急使だったのである。
 来るやいな、馬上のまま、丞相直筆の告文を出して、
 「羽将軍の忠義をあわれみ、関所渡口すべてつつがなく通してやれとのおことばでござる。御直書かくの如し」と、早口にいって制したが、夏侯惇はそれを見ようともせず、
 「丞相は、関羽が六将を殺し、五関を破った狼藉を知ってのことか」
と、かえって詰問した。 告文はそれより前に、相府から下げられたものであると、使者が答えると、
 「それ見ろ。ご存じならば、告文など発せられるわけはない。いでこの上は、彼奴を生擒って都へさし立て、そのうえで丞相のお沙汰をうけよう」

 豪気無双な大将だけに、あくまで関羽をこのまま見のがそうとはしなかった。 なお、人まぜもせず、両雄は闘っていた。すると二度目の早馬が馳けてきて、
 「両将軍、武器をおひきなされ。丞相のお旨でござるぞ」
 と、さけんだ。 夏侯惇は、すこしも鎗の手を休めずに、
 「待てとは、生け擒れという仰せだろう。分っている 分っている」と、どなった。
 近づき難いので、早馬の使者は遠くをめぐりながら、
 「さにあらず、道中の関々にて、割符を持たねば、通さぬは必定、かならず所々にて、難儀やしつらんと、後にて思い出され、次々と三度までの告文を発せられました」
 大声でいったが、夏侯惇は耳もかさない。関羽も強いて彼の諒解を乞おうとはしない。
 馬もつかれ、さすがに、人もつかれかけた頃である。また一騎、ここへ来るやいな、
 「夏侯惇! 強情もいいかげんにしろ、丞相のご命令にそむく気か」
 と、叱咤した人がある。 それも許都からいそぎ下ってきた早馬の一名、張遼であった。
 夏侯惇は、初めて、駒を退き、満面に大汗を、ぽとぽとこぼしながら、
 「やあ、君まで来たのか」
 「丞相には一方ならぬご心配だ……貴公のごとき強情者もおるから」
 「なにが心配?」
 「東嶺関の孔秀が関羽を阻めて斬られた由を聞かれ、さて、わが失念の罪、もし行く行く同様な事件が起きたら、諸所の太守をあだに死なすであろうと――にわかに告文を発しられ、二度まで早打ちを立てられたが、なおご心配のあまり、それがしを派遣された次第である」
 「どうしてさようにご愍情をかけられるのやら」
 「君も、関羽のごとく、忠節を励みたまえ」
 「やわか、彼ごときに、劣るものか」
 と、負けず嫌いに、唾をはきちらして、なお憤々と云いやまなかった。
 「関羽に殺された秦?は、猿臂将軍蔡陽の甥で、特に蔡陽が、おれを見込んで、頼むといってあずけられた部下だ。その部下を討たれて、なんでおれが……」
「まあ待て。その蔡陽へは、それがしから充分にはなしておく。ともあれ、丞相の命を奉じたまえ」
なだめられて、夏侯惇もついに渋々、軍兵を収めて帰った。
張遼はあとに残って、関羽へ、
「にわかに道をかえられ、いったいどこへ行くおつもりか」と、解せぬ顔できいた。
関羽は、あからさまに、
「玄徳の君には、袁紹のもとを脱し、もうそこには居給わぬと途中で聞いたもので」
 「おう、そうですか。もしかの君の所在が、どうしても知れなかったら、ふたたび都へかえって、丞相の恩遇をうけられたがいい」
 「武人一歩を踏む。なんでまた一歩をかえしましょうや。舌をうごかすのさえ、一言金鉄の如しというではありませんか。――もしご所在の知れぬときは、天下をあまねく巡ってもお会いするつもりでござる」
 張遼は黙々と都へ帰った。別れる折、関羽は言伝てに、曹操の信義を謝し、また大切な部下を殺めたことを詫びた。
 孫乾に守られて、車はもう先へ行っていた。しかし赤兎馬の脚で追いつくことは容易であった。
 さきの車も、あとの彼も、冷たい通り雨にあって濡れた。――
 で、その晩、泊めてもらった民家の炉で、人々は衣類を火にかざし合った。
 ここの主は、郭常という人の良さそうな人物だった。羊を屠って焙り肉にしたり、酒を温めて、一同をなぐさめたりしてくれた。 田舎家ながら後堂もある。
 二夫人はそこにやすんだ。
 衣服も乾いたので、関羽、孫乾は、屋外へ出て、馬に秣を飼ったり、扈従の歩卒たちにも、酒をわけてやったりしていた。
 ――と。この家の塀の外から、狐のような疑い深い眼をした若者が、しきりに覗いていたが、やがて無遠慮に入ってきて、
「なんだい、今夜の厄介者は」と、大声で云い放っていた。
「しっ……。高貴なお客人にたいして、なんたる云いぐさだ。ばか」
 主の郭常はたしなめていたが、あとでその若者のいない折、炉辺を囲みながら、涙をながして、関羽と孫乾に愚痴をこぼした。
 「さきほどのがさつ者は、実は、伜でございますが、あのとおり明け暮れ狩猟ばかりして、少しも農耕や学問はいたしません。どうも手におえない困り者で」
 「なに、そう見限ったものでもないよ。狩猟も武のひとつ、儒学や家事の手伝いも、いまに励みだそうし」
 ふたりが、慰めてやると、
 「いえいえ狩猟だけなら、まだようございますが村のあぶれ者と、ばくちはするし、酒、女、何でも止めどのない奴ですから。……時には、わが子ながら、あいそが尽きることも、一度や二度ではございません」
 その晩、みな寝しずまってから、一つの事件が起った。
 五、六人の悪党が忍びこんで、厩の赤兎馬を盗みだそうとしたところ、悍気のつよい馬なので、なかの一人が跳ねとばされたらしく、その物音に、みな眼をさまして大騒ぎとなったのだった。

 しかも、孫乾や、車の扈従たちが包囲して捕まえてみると、その中のひとりは宵にちらと見たこの家ののら息子だった。数珠つなぎに縛りあげて、       
 「斬ってしまえ」
 と、孫乾が息まいているとき、主の郭常は、関羽のところに慟哭しながら転げこんできた。
 「お慈悲です。あんな出来損できそこないではございますが、てまえの老妻には、あれがいなくては、生きがいもないくらい、可愛がっている奴でございます。どうぞお慈悲をもって、あれの一命だけは」
 と、十ぺんも莚へ額をすりつけて詫びた。
 関羽の一言で、泥棒たちは、放された。 郭常夫婦はわが子の恩人と、あくる朝も、首をならべて百拝した。
 「こんな良い親をもちながら、勿体ないことを知らぬ息子だ。これへ呼んでくるがいい、置き土産にそれがしが訓戒を加えてやろう」
 関羽のことばに、老夫婦はよろこんで連れに行ったが、どら息子は、家の中にいなかった。召使いのことばによると、早暁また悪友五、六人と組んで何処へともなく、出かけてしまったということであった。(158話)

 

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