20年前に台北駐在だった時、台南に鰻の養殖場が在るのを知りました。知人を通じて日本向けのかば焼きを真空パックにしたのを食べきれないくらい頂きました。当時いくらだったかは忘れましたが、それでも鰻の稚魚が現在と違い安い時代の話です
さて久し振りに鰻重を食べました。台湾産とは言え台北市内にある日系鰻屋さんです。台湾だから並・上・特の区別はなくて大か小の二種類。
久し振りなので大(2500円弱)にしました。日本だと並2500〜3000円、上・特3000円〜5000円はするでしょうか。現在では中々庶民の口には入り難くなりました。
ところで、私が小学生低学年の頃の思い出です。新宿で父親・母親と買い物を済ませたあとの夕飯に鰻を食べることになりました。
一家で鰻屋さんに入るのは初めてでした。その頃の私は肥満児と言われていて食いしん坊だったと思います。お腹を空かせて鰻重が出て来るのを今や遅しと待っていました。
そしていよいよそれが運ばれて来て、無我夢中で鰻をかき込んだ瞬間でした。喉に違和感を覚えました。そう、鰻の骨が喉に刺さったのです。この様な体験は初めてでしたからいくら腹ペコさんでも大騒ぎして慌てました。
声を聞いたお店の方が白いご飯を持って飛んできました。白いご飯を飲みこめと言ったのです。いくら肥満児でも白いご飯を飲み込むなんてできないです。
もはやせっかくの鰻重の夕飯どころではありません。父親も母親も自然に抜けるから大丈夫だと諭したのを覚えていますが、子供の私は一生抜けなかったらどうしようと思いましたね。
それ以来、私は一切鰻を受け付けなくなり鰻嫌いになりましたが、いつのころからか美味しく頂けていますよ。今では食べられるようになってよかったです。久し振りに鰻重食べて思い出しました。