前回に引き続き名菜に歴史あり、忘年会料理のご紹介の第二段です。
今回は前回の11世紀北宋から遡り隋の皇帝煬帝の時代です。日本では聖徳太子が小野妹子を遣隋使として派遣した7世紀の頃です。
皇帝文帝とその子煬帝の二代に渡り北京から杭州までの総延長2500kmの大運河建造したのは有名な史実です。その大運河の途中で物資集積地になったのが揚子江沿いの南部(江南)にある現在の江蘇省揚州市です。
揚州と言えば先ずは揚州炒飯を思い浮かべますが、今回紹介したいのは『獅子頭砂鍋』です。この料理は皇帝煬帝が揚州を巡行した際の宴席に出されたスープです。
肉団子と江南地域の特産品とを一緒に豚骨スープと一緒に煮込んだ料理です。食した中には、肉団子と白菜・トマト・春雨・きくらげ・豆腐などが大きな土鍋に具材がふんだんに入っていました。
ちなみに中国本場ではお店と時期により上海蟹が肉団子に練り込まれているのもあるそうですよ。
具が多くてもはやスープとは言えず立派なお料理です。添付の写真でははっきりしませんが、ひとの拳ぐらいの肉団子が幾つも入っています。肉団子そのものに重量がありスープの中に沈んでしまうぐらいなのです。
グツグツの状態で出てきますが、土鍋ですのでなかなか冷めずに食せます。そして、このアツアツスープに合うのがご飯ものなのです。
お店では普通の揚州炒飯ではなく『上海菜飯』でした。所謂、上海風炊き込みご飯と言われる料理で、塩炒めした刻んだ青菜と中華ベーコンをラードで炊き込むシンプルな土鍋ご飯です。
この組み合わせは食べるとどちらも止まらなくなり相当やばい美味しさでしたね。