2022-2023年のマラソンシーズン幕開けのフルレースに参戦しました。台湾の航空会社主催の大会です。日曜日早朝4:30集合、5:10スタートですから朝食、準備、移動時間を逆算して前日20:30就寝、2:45起床でした。
台湾のマラソン大会は概ねこんな感じで、日本の大都市レースは9:00スタートが羨ましいです。
昨年12月台北マラソン以来のフル出走となります。今回の制限時間はグロスタイムで6時間でしたので、8分/km平均で走れば制限時間内には完走できます。
ところが、コース上の一部が高速道路を使用する交通規制の関係で、検問時間が設定されています。
要所要所にスクーターが数台(多い場所で20台)待機しており、検問時間に引っ掛かったり、或いは、体調不良で途中でギブアップした際に後部座席に乗車してレースから即退場となります。
私の自慢は50歳過ぎでマラソンを始めてから、これまでのレース途中で退場せずに制限時間内完走してきたことです。ところが、今回は私の実力から何度か門限時間に引っ掛りそうになりました。
スクーターの親父:
『お兄さん(私のこと)!、乗っていくかい?』
その掛け声に此処で乗車したらどんなに楽になるだろうと思う自分と闘い、悪魔の甘い囁きにも生憎の雨にも負けず風にも負けずに只管脚を止めず走り続けました。
また…
路上のレース審判員:
『あと、XX秒で検問が閉まりますよ!』
疲労困憊で頭の中が朦朧として、中国語がその様に聞こえた私は、100mぐらいの距離をふくらはぎが攣りそうになりながら猛然とダッシュしました。火事場の馬鹿力が残っていました。
いよいよ最後、あと1?(つまり41km地点)で制限時間まで残り20分有ると分かりました。なんとかなりそうだとほっとしました。
それから数百メートル、重い脚を引き摺りながら懸命に走りました。そして最後の直線、ふと私と同年代と思しき男性ランナーが2m前をもがく様に走っているのが眼に入りました。
私は順位も時間も全く影響なくやめておけば良いのにスポーツマンの本性からこの男性を抜かしてやりたい気持ちにかられました。
気付かれぬ様に後方左側から一歩前に出たその瞬間…
その男性ランナーと眼と眼があいました。こちらの意図を見抜いたかのように男性のペースも俄然あがり並ぼうとしました。おっと、男と男の最後の戦いを受けて立つのですね。
感動を噛み締めながらゆっくりとゴールしたかったのに、自分から仕掛けた戦いとは言え仕方ありません。最後は大人気ない小学生の運動会の徒競走状態になりました。
結果はコンマ数秒だけ私が先にゴールしてフフとしてやったりと思いましたが、残っているはずの無い余計な体力を更に使い果たしました(笑)。
それでも、どうにかこうにか制限時間以内完走連続記録が途切れる事なくすみました。よかったです。完走メダルやポンチョ式タオルも頂きました。
次回のレースは11月末に神戸です。2018年那覇マラソン以来の日本での大会となります。