40年ぐらい前の話です。私が大学卒業して晴れて社会人になり、都内東証一部上場の某会社入社式に臨んだ時です。
私の前列に座っていた国立H大学水産学部卒(スキー部)同期が白いワイシャツの下にスキーの絵柄Tシャツを着ているのが透けて見えました。
『まずいんじゃないの?』って話しかけたら、えっどうしてみたいな顔をされたことを覚えています。でも案の定、総務部のひとに厳重注意されていました。
これはエチケットで注意されるのは当たり前ですが、新入社員の頃少々縞柄ワイシャツを着て出社したら、当時の課長に『会社は遊び場じゃないぞっ』と怒られた記憶があります。
当時は、濃紺のスーツに白いワイシャツにネクタイを締めるのが基本で全国ニッポンのサラリーマンの多くがそんな似通ったカッコの時代でした。
何時の頃か、ワイシャツはボタンダウンも色付きも半袖も普通に許される時代になりました。またある時代には省エネスーツとか言って半袖スーツが一時的に出回りましたが、私はさすがにカッコ悪くて着る気にもなりませんでした。
その内、カジャルアルフライデーとか言って金曜日だけはワイシャツとネクタイの代わりにポロシャツでの出勤も許される様になりました。
本部長や役員が自らその様なかカッコで出勤するものですから、一般社員もせざるを得ませんでした。白いワイシャツだとあれだけ言っていた管理職がラルフローレンのポロシャツでしたから少々笑えました。
そして、職種にもよりますが遂にネクタイも締めない時代になりました。昔はどんなに暑くてもスーツ姿にネクタイを締めるのが当たり前で逆に締めていないと首回りが寂しい感じでしたが、何となく圧迫感から解放された気分でした。
それが今の私の出勤姿はカジャルスーツどころか、ユニクロか無印のシャツにチノパンかジーパンで平気で過しています。さすがに客先にはTシャツでは着て行かないにしても自営業者ですから大体こんなカッコで仕事をしています。靴も大体はスニーカーを履いていますよ。
そんな私ですが台湾へ進出している日系大手企業様を営業訪問するとなると話は別です。何せ相手様は台湾でもきちっとスーツを着こなしていますから。さすがにこの日はノーネクタイでしたけど。
一方、私はと言えばジャケットとパンツとボタンダウンシャツのいで立ちに前日からしわを伸ばして衣文掛けに干しておきました。
ところが、問題はビジネスシューズでした。ランニングシューズは一週間でも二週間でも毎日履き替えが可能なくらい持ち合わせていますが、革靴は黒系か茶系に限定されています。
そして余りに久し振りに靴箱から出したので、台湾の気候の影響でカビが生えていましたよ。慌てて皮靴用クリーナー(スポンジ付き)を引っ張り出したら、今度はクリーナーの先に付いているスポンジ部分が乾燥して中々出ません。
力を込めたらプッシュしたら中身が吹き出して床が黒いクリーナーだらけで大変なことになりました。ちなみに、もうひとつカビが生えていましたのが皮製ベルトでした。
それにしてもカッコだけでお仕事が頂けるぐらいならジャケット着て革靴ぐらい履きますね。少々暑っ苦しくてもお安い御用です。
(本文とは無関係で、ある日の大戸屋での鯖定食の夕飯。シラスご飯を注文したら少なくてガッカリ。帆立の茶碗蒸しは美味しかった。)