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| 三国志(孫呉)・春秋戦国(楚)および古代中国史絡みの雑記、妄想、感想をおいてます。文物や史跡など、誰もが実際に見に行けるものを布教していきたいな。他、中国旅行記や中国語学習記も。 |
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| 2023-12-19 19:05:14
楚の都として知られる紀南城。 私が初めて楚に触れたのは『春秋左氏伝』で、地図を見ながら読んでいたし、初めて荊州博物館に行ったときから“紀南城復元模型”などを見て育ってきていて、何も疑わずに楚の都は紀南城なんだと思っていました。 しかし実は紀南城は戦国時代の都城であり、出土文献や考古学的調査によると、春秋時代に楚が紀南城を首都としていたことは恐らく、ない……。(記事公開時点での情報)その事実を最初に知ったときはショックでしたが、それ以上に清華簡『楚居』の内容がおもしろいので大丈夫でした。『楚居』は楚王の移動の歴史について書かれています。古文字で難しそうに見えますが、白話訳になると大意は分かりますのでぜひ読んでください。 で、紀南城っていつから紀南城と呼ばれているのか気になりました。これがなんと『春秋左氏伝』の杜預注だったんです……。桓公二年(前710)の注に楚國は、今の南郡江陵縣の... [続きを読む] |
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| 2023-11-14 22:56:45
国民文庫刊行会『国訳漢文大成 楚辞(釈清潭)』(パブリックドメイン)より 王逸曰く《九章》は屈原が作る所なり、屈原江南の野に放(す)てられ、君を思い国を念(おも)い、憂心極り罔(な)し、故に復(また)《九章》を作る。章は著なり、明なり。己陳ずる所、忠信の道甚だ著明なるも、卒(つい)に納められず、命を委ね自ら沈む。楚人惜んで之を哀しむ、世(よよ)其の詞を論じ、以て相伝うるなり。林雲銘(*『楚辞灯』)曰く王逸云々、茲(ここ)に其の文を以て考うるに《惜誦》の如き、乃ち懐王に疏(うとん)ぜらるる後、又言を進めて罪を得、然れども亦(また)未だ放れず。次は則ち《思美人》《抽思》、乃ち言を進めて罪を得、後懐王之を外(ほか)に置く。其の都に造(いた)るを称して南行と為す、朝臣を称して南人と為す。置て漢北に在る疑無し。江南の野の若きは則ち之を東遷と謂う、而して思君を以て西思と為す。《哀郢》篇あり証す可きなり。洪興祖謂... [続きを読む] |
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| 2023-11-07 16:27:04
2017年5月2日に保存してあった文です。もったいないので投稿します。内容の編集はしていません。 (長くなったので前の記事から分けました)《一件小事》(『小さな出来事』):人力車の車夫がかっこいい話。私が思うのは、そんなに中国の教育が遅れてて意味がないと思ってたなら、学校中退しろよ。ということです。親に勉強させていただいていた人にそんなこと言っても分からないか(笑)《頭髪的故事》(『髪の話』):偏屈な青年が、髪型や服装の違いひとつで罰される世の中に不満を表明する話。“旧社会”の事情がよく分かる話だと思います。私も辮髪は大嫌いです。政府が国民に髪型まで強要するのはおかしな事態だと思いますが、国民に閲覧サイトを強要する政府もなかなかないのでは……《風波》(『から騒ぎ』):革命が起こって溥儀が退位したが、張勲がまた溥儀を復位させて……という時期の農民の辮髪にまつわる話。テーマは《頭... [続きを読む] |
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| 2023-11-07 16:18:58
2017年4月25日に保存してあった文です。もったいないので投稿します。内容の編集はしていません。 岩波文庫(訳:竹内好)の魯迅『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊)』をだいぶ前に読み終えました。最近魯迅の作品に触れる機会があったのでそう言えば最初に読んだとき何も言及してなかったなと思い、感想を書くことにしました。良くも悪くも雑な感想です。著名な文学作品ですし、追究しようとするといくらでも深く! まじめに! 時代背景とも照らし合わせて!……といった感じで感想を書けるのでしょうが、私はどこかに書評を寄稿するわけじゃないので、趣味で中国史を好きなだけの者が感じた感想として書きました。原文は百度でチラ見しかしていません。作品についてなんの解説もしていませんがよろしくお願いします。魯迅ファンの方や魯迅作品を知らずに読んだ方をのちのち不快にさせないためにいきなり言いますが、私はこの《?... [続きを読む] |
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| 2020-12-31 10:47:00
いろいろあった2020年ももうすぐ終わろうとしています。ブログ的には、いろいろも何も更新してないだろ!!という感じですが……おそらく、このブログを生存確認代わりに見てくださっている方もいらっしゃると思うので、その意味ではやはり今年も本当にお世話になりました……ん〜〜〜、ついに一年間一度も国外に出られなかったですからね……仕方ないですね……涙……それに加えて!私は筋トレ&有酸素を日課としており、現在一日2時間半前後、週7で取り組んでいるのですが、やはり時間の使い方が壊滅的に下手……これが非常に大きな問題です。ジムに入会してから来月で2年。これだけのペースで通えていることはまずは褒めてやりたいところではありますが、何を隠そう私は運動を心底憎んでいる。運動を滅せるのであれば三族皆殺しにしたいぐらい本気で憎んでいます。自分こそが宇宙一運動の嫌いな人間だという自信があります。なので運動に向き合うストレス&向き合った後の... [続きを読む] |
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| 2020-11-19 04:02:00
先日のこの論文の注にて、「沈尹戌は呉から来奔して楚に仕えた呉人説」について詳しく考察されていたため、これも訳しました。沈尹戌、日本語のWikipedia記事すらありませんので……例によって引用元はこちらです從新出文字材料論楚沈尹氏之族屬源流http://www.bsm.org.cn/show_article.php?id=866↓↓↓ここから↓↓↓《左伝》定公四年云:“初,司馬臣闔閭,故恥爲禽焉。”(初め、司馬闔閭に臣たり。故に禽と爲るを恥ず)《左伝》定公五年曰:“葉公諸梁之弟后臧,從其母於?,不待而歸。葉公終不正視。”(葉公諸梁の弟后臧、其の母に?に從い、待たずして歸る。葉公終に正視せざりき)(司馬は沈尹戌の役職)学者の中には、この2つの史料から、沈尹戌父子は呉の人で、楚に来奔した者の可能性があるとする人もいる。これを少し分析してみよう。沈尹戌が最初に出てくるのは昭公十九年(前523年)。闔閭は昭公二十八年... [続きを読む] |
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| 2020-11-18 17:02:00
荊州市の関羽像が移転を命じられているそうです。ちなみに荊州は後漢では江陵で、楚の首都です!大きすぎる関羽像、違法建築認定で移転へ 中国・荊州:朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASNCL4DZXNCKUHBI018.html当然ですが中国のニュースのほうが詳しいので読みました。?州?公??巨型?公像或“搬家” ?旅集?投?已超8?元-中????-中国??网http://www.cb.com.cn/index/show/zj/cv/cv135104441264/p/s.html・今年7月に「施設が消防検査を受けていない」という報道があった・運営元社長が取材拒否・現在、像以外何も見られず閉門状態・台座に「沈降問題」が発生している・現在の入場料は40元(最初は120元)。・像だけで一億729万元かかっているが、総収入は1300万元未満・荊州の古い街並みを再現した大型のスト... [続きを読む] |
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| 2020-11-18 00:55:00
田成方先生の《從新出文字材料論楚沈尹氏之族屬源流》http://www.bsm.org.cn/show_article.php?id=866という論文を読み、その主張について勝手にまとめました。かなり、かいつまんでまとめましたが……それでも膨大な長さに……自分用なので勝手に色分けさせていただいてます……もちろん中身の主張は変えておりません!訳も不自然でこそあれ間違ってはいないはず!左伝ファンじゃないとこの記事にたどり着かないだろうからあまり心配はしてないですが……伝世文献では、沈尹戌=楚荘王の曽孫。つまり沈尹氏は荘王の子孫ということになっていました。↓↓↓ここから↓↓↓1.出土資料上の沈尹の官と沈尹氏楚には沈尹という官職があり、その設置は近隣の徐国にも影響を与えた(徐にも沈尹という官がある)。楚の沈尹は大室に支える王官であり、楚王が直接支配する。その下に右沈、左沈などの副官がつく。沈尹の設置時期は春秋晩期以前... [続きを読む] |
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| 2020-11-16 23:33:00
第26集 ??刺僚あらすじは割愛です……伍子胥が呉に到着しました。▲被離と公子光(呉王闔閭)▲王子慶忌(手前)と呉王僚(奥)▲「あれは楚国のいたるところに逮捕状が貼られている伍子胥だ」白髪になったのに他国の公子に見破られている呉王僚にお呼び出しされた伍子胥が急に綺麗な格好になってておもしろかったです。▲こんな格好だったのに……▲次の瞬間にはこれに伍子胥、呉の大夫になった途端に公子光に対して既にすごく態度でかいのがおもしろすぎた……(笑)王位を獲りたいと話す光に「しかし公子も私に一つ約束しなければならない」とか言っちゃうし。▲これが公子を見る目でいいのか……怖すぎる……本人も死ぬことを覚悟の上で呉王僚暗殺に臨む専諸が素朴ないいキャラなので結構つらかったです……呉王は魚料理が好きだからということで、専諸に魚料理を身に付けさせねばならないという話になり……▲「(おいしい魚料理を)もし自分が覚えられなかったらどうする... [続きを読む] |
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| 2020-11-16 16:57:00
現在出土・公開されている中でも著名な楚簡をまとめました。自分用なので雑なのは勘弁してください……。中文?基、百度百科の情報をもとにまとめているのでしっかりした情報をご存知になりたい方は本職の方々によるまともなサイトをご覧になってください。中国出土文献研究会 | よみがえる諸子百家の時代 新出土資料の総合的研究 「戦国楚簡」「秦簡」「漢簡」http://www.shutudo.org/長沙子弾庫楚帛書(楚帛書)1930年代湖南省長沙市 杜家坡 子弾庫古墓 出土縦38.76?、横47?二組の文字からなり、一組は13行、一組は8行。周りは図像で囲まれており、文章は伏犠と女?の事績である。祈祷師の祈りや占いに使われたと見なされており、文章から当時の宗教観や宇宙観が窺える。信陽楚簡1957年3月河南省信陽市 長台関一号楚墓 出土148枚。2種の内容に分けられる。先の119枚は出土時に踏まれたため470字程度しか残ってい... [続きを読む] |
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